勝央町ぶどう部会は、新品種「マスカットノワール」の特産化を進めています。有望品種検討班の班長を務める、筒井則雄さん(53)の園地では、今年から本格的に結実を始めました。部会では、市場から黒系ブドウの引き合いが強まる中、高単価取引だけでなく、個性ある品種の栽培をPRすることで、地域の魅力発信や担い手の確保にもつなげていきたい考えです
同部会は2021年に発足。「マスカットノワール」を、他産地と区別化する、町を代表する新たな品種に育てていこうと、試食や協議を重ねてきました。
同部会は2021年に発足。「マスカットノワール」を、他産地と区別化する、町を代表する新たな品種に育てていこうと、試食や協議を重ねてきました。
同品種は「シャインマスカット」と「ジーコ」の掛け合わせで誕生。濃い紫や「シャインマスカット」から受け継いだ爽やかな良食味で、皮ごと食べられます。裂果や晩腐などの病気にも強く、栽培しやすいのも特長です。
現在部会の約半数に当たる20数人が50本を栽培。来年3~4月にかけて27本を植え付けし、ゆくゆくは部会全体で100本の導入を目指します。来年以降徐々に出荷量が増える見込みです。
筒井さんは、主力の「シャインマスカット」などが終わった10月末から、同じく晩生種の「マイハート」などと並行して収穫。11月末まで出荷が続きます。温暖化で猛暑による着色不良が懸念される中、色づきがよい一方、糖度に関係なく着色するため「出荷基準の判断が難しかった」と話します。
部会ではロゴやホームページの作成など、PRに利用する費用の捻出のため、クラウドファンディングを立ち上げました。町内外から目標金額を大きく上回る支援が寄せられ、関心の高さが伺えました。返礼品として「マスカットノワール」を受け取った賛同者からも、評判も上々です。
筒井さんと、部会長の峰山正紀さん(59)は「部会員の賛同を得ながら、品質を安定させ、ブランド化に向けて規模を拡大していきたい」と口をそろえます。
JA担当者は「成木が増える5~6年後には市場への流通が本格化するのではないか」と期待を寄せます。





