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伝統つなぐ「最上干柿」 加工作業が最盛/矢掛町「土井農園」

柿の収穫に追われる土井農園。建物内には色鮮やかなつるし柿ののれんが並ぶ
干し柿の里で知られる矢掛町山ノ上地区で、たわわに実った柿が赤く色づき、収穫や加工の作業が最盛期を迎えました。標高250㍍に位置する高台は、日当たりがよく霧がかからないため、昔から干し柿づくりが息づきます。民家の軒下や柿干場での天日干しの風景は秋の風物詩になっています。
同地区の干し柿は「最上干柿」と呼ばれます。江戸時代に大名へ献上した際に「最上においしい」と評価されたことに由来します。現在は数戸の農家が伝統をつなぎます。
このうち土井農園は、母娘で柿90本を栽培し、6次産業化に取り組みます。毎年安定した品質と収量を確保するため、肥培管理だけでなく、せん定、摘蕾、摘花、摘果など各段階で細やかに手入れします。干し柿をはじめ、スイーツなども商品化し、常連客や電子商取引(EC)サイトを中心に販売します。
今年は10月下旬から、収穫と並行して柿の皮むきや縄につるす作業に追われています。1玉ずつ丁寧に取り入れ、手作業で皮をむいて縄につるします。前年を上回る2万5000個を見込みます。父親から受け継ぐ横つりという独自の製法を生かし、天日干しでじっくり時間をかけて熟成させ、美しい赤色とやわらかな食感に仕上げます。
代表の山部美由紀さんは「この土地の気候風土と先人が培ってきた技術を担っている責任を感じている。『わあ、きれい』と感動を与えられる商品を届けたい」と話します。「最上柿」は矢掛宿場の青空市「きらり」にも12月頃からお目見えします。
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