日本農業賞集団組織の部で優秀賞を受賞した、久米南キュウリ部会は、今シーズンも生産者が共通意識をもって栽培に取り組み、さらなる産地拡大を目指します。
1976年に部会を設立。同賞では、共同選果場稼働で生産者の省力化、新規生産者の支援や育成などを行い、10年間で約40人の新規栽培者が加入するなど、地域農業の活性化につながる取り組みが評価されました。
本年度は54人で栽培し、そのうち4人が新たな栽培者として加入を予定しています。昨季は異常気象の影響で、出荷量は前年をやや下回ったものの、単価高で過去最高の2億2000万円を売り上げ、産地振興に弾みをつけました。
新規就農者の確保や面積の拡大につなげようと、安価での生産資材の貸し出しや栽培を始めたばかりのほ場を先輩生産者が見回るなどしてバックアップします。農福連携にも力を入れており、選果場には近隣の福祉事業所からスタッフとして受け入れるほか、生産者として出荷を始めた団体もあり、一緒に産地を支えています。
2022年からは、他産地との区別化を図り、有利販売につなげようとカキ殻をほ場に散布し「里海野菜」として出荷。消費拡大に向けたイベントも各種団体と共同で行うなど、PRに向けて活発な取り組みを進めました。食農教育として地域の小学校の総合学習に協力。子どもたちが育てたキュウリは選果場に出荷し、地域と農業のつながり強化にも努めているほか、近年では中学校の地域学習にも協力しています。
3月10日には津山市で総会と祝賀会を開き、部会員や関係者が次のステップに向けて意識を共有しました。2024年度まで部会長を務めた志部健一さん(77)は「今回の受賞を糧に、ここを通過点と捉え、より良い産地育成につなげていきたい。子どもたちが産地をつないでくれることを願っている」と話します。





