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「ピオーネ」出荷本格化・適期収穫、近赤外光照射、鮮度保持で巻き返し/阿新ぶどう部会

頑張ろうコールで巻き返しを誓う生産者
阿新ぶどう部会は、猛暑や渇水といった栽培環境の変化に対応しながら、主力の「ピオーネ」の出荷を本格化させました。近年の気温の高まりで生育は前進傾向にあり、昨年は収穫遅れによる品質低下で収量減となりました。その反省から今年は1週間前倒しで出荷を開始。適期収穫を徹底し、全量を鮮度保持装置に通して品質確保に取り組みます。
出荷時期は10月末まで続きます。農家は流通量が全国的に減る後半までを見据えた計画を組みます。ただ、最近は気候変動に伴い、後半の晩腐病の発生や脱粒の恐れが高まっています。昨年はその影響が顕著に現われ、出荷量1012㌧、販売高13億4000万円にとどまりました。
これを踏まえ、今年は異例の8月31日に出荷を始める判断をした。併せて適期収穫の意識付けを図るとともに、収穫も猛暑下で気温が高まる日中の時間帯を避けるよう呼びかけています。朝の涼しい時間帯に取り込むことでその後の鮮度状態が良好だからです。選果場では、鮮度保持の効果を認める、近赤外光を照射して市場に送り出します。
9月11日に開いた出荷進発式では生産者らが出荷状況などを確認し、取り遅れないよう気を引き締めました。少雨の影響で小粒傾向というものの、盆以降の夜温の低下によって色づきが進み、非常に甘く仕上がりました。出荷量1100㌧、販売額15億5100万円の目標達成へ、頑張ろうコールで巻き返しを誓いました。植田正二部会長は「昨年の反省を生かして出荷ロスをなくし、市場や消費者にしっかり届けていこう」と鼓舞しました。