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果物 広報誌「晴ればれ」2023年6月号掲載

モモ 摘蕾後~収穫までの管理

摘果では、果実が大きく、形がよく、将来的に枝などに当たりにくく、袋が掛けやすい果実を残しましょう。
西部広域営農経済センター 岡 宏和の写真
西部広域営農経済センター
岡 宏和
モモの生育と栽培管理の年間スケジュール
モモの生育と栽培管理の年間スケジュール

1.着果管理

基本は最終着果量(葉と果実との割合が約100枚に対し1果)の2倍を予想して摘果する。
(1)予備摘果…30~45果/m2
伸ばす枝(主枝、亜主枝)の先端は50cm摘果して、枝を伸ばす。樹の上部や枝が強い部分はやや軽めに、樹の下部や下垂枝(何年も実をつけて垂れている枝)は強めに摘果する。
今年実をつける中果枝(20〜30cmの枝)や長果枝(30cm以上の枝)は枝の中間~基部よりに着果させる。徒長枝(上に向かって伸びている枝)は重みをかけて倒したいので枝先に着果させ、端や副梢にも着果させる。なるべく葉芽に近い位置に着果させる。
ソラのイラスト
ソラからのアドバイス

果実同士が大きくなっても当たらないようにすることで、果実接着面の病害虫発生やアタリ果を防ぐよ。また、花ガラも病気や汚れのもとになるので、摘果時にできるだけ取ろう。

(2)仕上げ摘果(最終着果量に仕上げる)…15~30果/m2
最終着果量の目安は、収穫時の葉と果実との割合が80〜100枚に対して1果(清水白桃)。発育不良果、変形果、赤色に着色している幼果、双胚果(白鳳・白桃・白麗などは年により双胚果が多い)を優先して摘果する。日照良好部分(樹冠上部)は多めに、日照不良部分(樹幹内部や下枝)は少なめに残す。樹勢の弱っている樹は着果量を少なめにする。
結果枝の長さ別の最終着果のめやすと双胚果と正常果
品種別着果管理について
●結実が多く生理的落果しにくい品種
(早生品種・白鳳など)…安定して作りやすい
満開20〜30日後
予備摘果(最終着果量の2倍程度)
満開45日後まで(早生品種は満開40日後まで)
仕上げ摘果(最終着果量)
●清水白桃…落果しやすく生産不安定。
強い摘果を避け、遅延摘果が基本。
満開20〜30日後
予備摘果(最終着果量の2倍程度)
満開45日後まで
摘果(最終の1.3〜1.5倍程度)
硬核期後(6月下旬以降)
摘果(最終着果量)
ポイント
硬核期前に最終着果量にしてしまうのではなく、落果を見越して硬核期後に仕上げて袋掛けを行う(遅延摘果)。特に強せん定の場合は落果が多いので遅延摘果を基本とする。
(3)袋掛け…15果/m2
袋掛け
袋掛けをすることで外観を白く美しく仕上げ、病害虫の被害を軽減する。袋の種類(光の透過率、底の有無、色、素材など)により外観が変わるため、産地により「この品種はこの袋」と決まっている場合が多い。
仕上げ摘果が終わり次第、早生品種から順次行うが、清水白桃は修正摘果をする場合、修正摘果後でもよい。
袋の掛け方
袋を開いて真ん中に果実を入れ、袋の端と端をたぐり寄せ、虫や水を入れないためにぴったり締める。枝と果実の隙間があると、病害虫発生の原因になるため、隙間が袋で埋まるようにする。果面の汚れのもとになるため、葉を袋の中へ入れないように注意する。託した袋を、針金を折り返し固定する。この時必ず枝も巻き込む。
袋の掛け方
サンのイラスト
サンからのアドバイス
留め金を強く締めてしまうと、収穫時に枝から袋が外れにくく手間がかかってしまうため、留め口の針金は隙間なくきっちり押さえて1回折りで留めよう。

2.収穫

主要品種の成熟期
主要品種の成熟期
収穫適期は選果の方法によって若干異なり、果実は熟してくると果頂部から緑色がぬけてくるため、袋の底から地色の抜け具合を確認しながら収穫する。
※ただし樹によっては果実全体の色が一気に抜けてくる場合や、果梗部(枝に近い部位)から熟れてくる場合もあるので注意が必要。
樹の中では主枝・亜主枝の先端部や日当たりのよいところから樹冠下部に向かって熟れてくるので、まずは枝先から収穫を開始する。個々の果実の収穫適期幅は1~2日程度しかないため、適熟果を収穫するためには、毎日もしくは1日おきの収穫が必要となる。
収穫は果実温度が低いうち(午前9時ごろまで)に行う。収穫後は直射日光を避け通気性をよくして、速やかに風通しのよい涼しい場所へ運搬し調整する。非常に傷みやすいので、果実を重ねない。収穫かごやコンテナにウレタンなどの資材を活用して傷みを軽減するなどの対策を行う。
収穫
晴ればれレシピ

白桃のレシピ

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