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真っ黒で色づきよい「ピオーネ」の安定生産に試行錯誤し、「技術的な悩みや課題を共有できる場がほしい」と向上心は尽きない

新見統括本部
阿新ぶどう部会
武岡 裕和 さん(55)
由香 さん(41)

新見統括本部 阿新ぶどう部会
武岡 裕和 さん(55)由香 さん(41)

果物

”ピオーネ愛“親から子へ

 新見統括本部阿新ぶどう部会は、親から子へと第二世代が中核を担います。生産者101人を抱える豊永支部で副支部長を務める武岡裕和さんもその一人。特産の主力ブドウ「ピオーネ」の産地化を成し遂げた先代からの技術や教えを忠実に実践し「現状に満足せず、仲間とともに新たな知識や情報を吸収し合いたい」と貪欲に品質を追い求めます。
 地域でピオーネ栽培を先駆けた親元にUターンし、2005年に就農。両親は「海の物とも山の物ともつかない」との周りの反対を押し切り、葉タバコに替わる作物にゼロから挑みました。その果敢な姿に「定年がなく夫婦で努力した分だけ稼げる」と確信しました。

一面に落ち葉やカヤを敷き詰め、隅々まで管理が行き届くほ場

 今は加温ハウスと露地を合わせ1ヘクタールの園地を家族4人で切り盛りしています。「ピオーネ」を柱に「シャインマスカット」など8品種177本を栽培。「手を抜いたらいいものはできない」との教訓を守り、一粒一房に丹精込めてハサミを入れます。妻の由香さんも「家族で同じ目標に向けて汗を流す毎日が充実している」と目を細めます。
 世代が代わっても貫く技術が〝生きた土づくり〞です。里山の恵みである落ち葉やカヤを冬の間に集め、春のシーズンが始まると畑一面に敷き詰めます。その繰り返しが土中微生物を活発化させ、根と樹の生育に好環境を生み出すと考えます。「1年間の作業で最もきつくて嫌いな仕事」というものの、近年の気候変動の影響から品質への効果を特に感じるようになりました。
 将来にも目を向け、子どもたちへの食農体験は21年目を数えました。「一粒ができるまでの苦労や喜びを覚え、大人になっても記憶に残るような体験にしたい。食べ物の大切さを伝えることでSDGs(持続可能な開発目標)にもつながる」。夫妻は広い視野で地域の農業に思いをはせます。

新見市立草間台小学校の児童を招く収穫体験。ジベレリン処理・袋かけ・出荷作業を通じて食べ物の大切さを伝えています。

空から望む - 新見市豊永地区 石灰岩と里山が育む ブドウ「ピオーネ」の聖地

新見市豊永地区 の写真
 特産ブドウ「ピオーネ」の一大産地を抱える新見市。今ではほぼ全域に栽培が広がり、その大半を占めるのが市内南部の標高400〜500メートルのカルスト台地に位置する豊永・草間・井倉地区です。昼夜の寒暖差や夏の涼しい気候、台地ならではの日当たりや水はけのよさに加え、大佐ダムからくみ上げるかん水設備(畑かん)も整うなど、良質なブドウづくりの環境が揃います。県外からのIターン就農者の受け皿も担い、市中心部から真庭市北房地区に向かう途中には、研修体験ができる「ピオーネ交流館」、観光果樹園など交流拠点もあります。
 台地には、石灰岩地形を象徴する井倉洞や満奇洞など無数の鍾乳洞やカレンフェルト(石灰岩柱)が点在し、すり鉢状のくぼ地であるドリーネを取り囲むように民家や畑が集まります。5月から梅雨明けまでは雨よけのための簡易被覆ビニールが織りなす、かまぼこを並べたような風景が一面に現れます。
 産地の先駆けとなったのは昭和59年。かつて品質日本一の葉タバコ産地として栄えていましたが、減反政策のあおりから将来をいち早く見据え、代替作物として「ピオーネ」を導入しました。身近な有機質を活用した土づくりを今も受け継ぎ、落ち葉やカヤなどを集めて畑に投入しています。そのため、ブドウ畑の近くにはカヤ畑のほか、手入れが行き届いた里山が見られるのも特徴です。
ニューピオーネの写真
管内のニューピオーネ
 甘い、大粒、ちょうど良い甘さ。産地間と栽培方法によるリレー出荷で、長期間消費者の皆様にお届けできます。
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