トピックス
農工商がほ場見学 協力し、産地振興

美作広域農業普及指導センターが主催し、5月29日、津山市で津山産パン用小麦産地見学会を開きました。県内の製粉会社や屋パン店などのほか、同市やJA晴れの国岡山津山麦作経営者部会、商社などが参加。6月中旬からの刈り取りを間近に控えたほ場を見学しました。
JAの同部会は今季57戸がパン作りなどにむく「せときらら」を81㌶、お菓子や麺など用の「ふくほのか」を85㌶で栽培し、「津山のほほえみ」の名で販売。品質を左右するタンパク質含有量の向上に力を入れ、優良な小麦生産に向けた取り組みを行っています。
見学会は、互いの工夫や努力を知り、津山産小麦と製品の認知度向上や利用拡大、地域活性化を目指して開き、実需者を招いての交流会は昨年に続き2回目。
農事組合法人AKファームは、津山市の30㌶で「せときらら」や水稲、大豆を栽培。小麦の品質向上に重要なタンパク質含有量率アップに向け、防除や施肥などの生育管理に努めています。
参加者は一面に広がる麦畑を前に「麦踏みはするのか」「刈り取りはいつ頃からか」などと質問。黄金色に色づき始めた麦の穂を刈り取るなどして、小麦についての知識を深めました。
同市や同部会、商社などで作る津山圏域地元産小麦普及促進協議会は、農商工が連携し、特産小麦のブランド化や利用促進、認知度向上などのために設立。これまで学校給食の麺への利用、パン業者を対象にしたパン作り研修会、パンフェスなどを開催。今年度は絵本を制作し、地元産小麦を子供達や子育て世代へ周知する取り組みを進めます。
見学会に参加した倉敷市の小田象製粉(株)は津山産小麦を使った製品を製造、順調に製造、販売が伸長しており、現地の様子を社内で共有したいとします。今年1月に同社した千田将也さんは「現地に来ることで、生育状況や生産者苦労が聞けてよかった。声を生かし、より良い商品を作っていきたい」と話します。
AKファームでは「このような機会は、お互いの学びになり、良いものを作る力になる。今後も『せときらら』のおいしさを大勢に知ってもらいたい」と展望します。