ＪＡ晴れの国岡山は１０月から、水稲肥料農薬の予約注文をウエブで受け付けて農家に戸配送する独自システム「晴ればれｅネット」の運用を始めました。受発注から配送、決済まで広域で一元的に管理。利便性を高めるだけでなく、大幅な事務軽減と管理業務の効率化、銘柄の集約を進め、農家へ価格やサービスで還元します。

水稲では２万２０００戸超の農家組合員を対象とします。これまでは水稲肥料農薬の予約注文はＪＡが個別に注文書を配り、農家が品目を選んで必要な数量を手書きで申し込んでいました。新システムで農家は、パソコンやスマートフォンで会員登録し、画面内で品目を選んで数量を入力すれば注文ばが完了します。来年度からは過去の購入履歴も照会できるようになります。ウエブ注文には予約価格よりさらに約５㌫値引きの特典を加え、大口利用には最大３㌫を還元する奨励対策も行います。

ＪＡ全農の物流情報センター標準システムと岡山県農協電算センターの購買システムを連携させ、受注内容を管理。注文内容ごとに荷造りし、配送拠点から農家の庭先に配送します。ＪＡ側での発注管理、在庫管理は不要となります。

津山市で水稲や酪農などを営む甲元敬司さん（５４）は「相談したらすぐ助言してくれる専門性の高い営農指指導の提供につなげてほしい」と期待を寄せます。
初年度は２０００件の利用を見込み、ＪＡの内藤敏男組合長は「管内広域で一斉に取り組むことで大規模ＪＡのスケールメリットを発揮できる。水稲以外でも展開し、２０２４年問題を視野に入れた物流体制の見直しを進めたい」と展望しています。

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