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農業応援隊!晴れびとHarebito

1日に7,000~8,000本をすべて手作業で摘み取ります

岡山西統括本部
船穂町花き部会
目黒 裕樹 さん(41)
優季 さん(34)

岡山西統括本部 船穂町花き部会
目黒 裕樹 さん(41)優季 さん(34)

花卉

スイートピー農家に転身
先輩を追って切磋琢磨

 倉敷市船穂町で、スイートピー産地の担い手として奮闘しているのが、就農5年目の目黒裕樹さん、優季さん夫妻。今季は23アールのハウスで7品種を栽培し、11月上旬から4月中旬まで48万本の出荷を目指しています。
 就農前は12年間、不動産の仕事をしていた裕樹さん。将来の選択肢として農業を視野に入れていたため、岡山県の産地見学会に参加。今も師匠と慕う船穂町花き部会の木下良一さんの栽培に対する熱意に背中を押され、「独立するなら、やはり農業」と新たな一歩を踏み出しました。同部会は新規就農者の受入体制も整い、部会や指導者がしっかりとサポートする受け皿があったことも大きな決め手でした。
 スイートピーは9月に播種し、11月からの出荷を目指します。1本が6メートルほどに成長し、その間約26本の花を摘み取ります。伸びた茎は成長とともにピンチで止め、背丈ほどになると、1本ずつ横へずらす作業を繰り返します。特に好天が続くと開花のペースが速く、収穫と管理に追われ、休む暇もなく根気のいる作業が続きます。

 「手をかけた分だけ、きちんと応えてくれる農業にやりがいを感じている」と力を込める裕樹さん。就農1年目には台風の影響で、収入が3分の1になるなど農業の厳しさに直面しましたが、妻の優季さんの協力と部会のサポートで乗り越えてきました。
 今後は栽培技術の向上はもちろん、作業の効率化や労力軽減につながる取り組みも積極的に試し、スイートピーを手にした方に喜んでもらえる花づくりを目指します。

蝶のような可憐な花びらと、甘い香りが特徴のスイートピー

空から望む - 倉敷市船穂町
果樹・花きの名産地 丘陵地にハウスきらめく

倉敷市船穂町の写真
 倉敷市船穂町は、市内を南北に流れる高梁川の西岸に位置し、北部は小高い丘陵地、南部には平地が広がります。朝から夕方まで1日中、日の当たる南向きの斜面や水はけのよい土壌が果樹・花きの栽培に適しています。高梁川からくみ上げるかん水設備(畑地かんがい整備/畑かん)や都市近郊の利便性にも恵まれ、農業で生計が立てられる環境が整います。
 特にブドウ「マスカット・オブ・アレキサンドリア」とスイートピーは、全国有数の産地として知られています。山陽自動車道玉島インター付近では、数多くビニールハウスが立ち並び、シンボルとしてマスカットがデザインされた畑かんの給水塔を望むことができます。
 また、同町水江地区には、江戸時代の初めに造られた、閘門式水門「一の口水門」が遺り、同市の文化財に指定されています。長きにわたり運河として水運に活用され、玉島港までの約10キロのルートは「高瀬通し」と呼ばれ、20世紀初め頃まで高瀬舟が盛んに物資を運んでいました。
 2018年7月の西日本豪雨を受け、小田川と高梁川の合流点の付け替え事業が行われ、河川整備による新たな農地でブドウやスイートピー、金時ニンジン・ダイコンなどの栽培が始まっています。
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