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顔の見えるブランドに/つやま和牛振興協議会

牛肉食の文化が根付く津山市で「つやま和牛」の一環生産に取り組む大﨏部会長

岡山県北部の津山市では、JA晴れの国岡山や市、観光協会などが「つやま和牛振興協議会」をつくり、産官民一体で、江戸時代から続く牛肉食文化と、ブランド牛「つやま和牛の」の魅力を発信し、地域活性化に取り組みます。2022年には農水省の「農泊 食文化海外発信地域」に認定。食肉処理施設から店舗への流通まで地域内一貫を徹底し、国内外から観光客の呼び込みます。
同市のある津山地域は、山陰と山陽を結ぶ交通の要衝で、農耕に使う牛の市が盛んでした。江戸時代から「養生食(ようじょうぐい)」として肉食が許され、牛肉を数日間干してうまみを凝縮させた熟成肉「干し肉」、牛肉の骨の周りの肉をそぎ落とした「そずり肉」など、独特の肉食文化が根付きます。
市内には食肉処理施設もあり、新鮮な牛肉が流通する環境が整います。焼き肉や鉄板焼きの店が多く、スーパーの精肉売り場も充実しています。B級グルメ「津山ホルモンうどん」なども有名です。
肉食文化の歴史背景を生かし、同市がブランド化を目指すのが「つやま和牛」です。和牛の三大血統の一つ「藤良」系統を起源とする黒毛和種を今につなぎ、生まれも育ちも、餌も津山産にこだわります。地元産小麦のふすまを飼料に与え、月齢28ヵ月以上の肉質等級3以上だけを「つやま和牛」として出荷。農家10戸で構成する生産部会が繁殖、肥育を一貫して担います。
地域ではブランドを立ち上げる以前は、優れた子牛を生ませて出荷する繁殖農家が中心でした。「生産から流通、販売まで素性の知れた牛肉を自信を持って消費者に届けたい」と肥育にも挑戦。9年がかりで増頭に取り組み、22年度末には目標とする年間100頭の生産体制が整いました。

 

今後の課題は、地域の肉食文化と「つやま和牛」の魅力の相乗効果で、地域に観光客を呼び込むことです。市内で「つやま和牛」を取り扱う料理店はまだ9店舗と多くありません。JAは、県南部の直売所でのPR活動に加え、4月には地元焼肉店「藤良」と共同で「つやま和牛」の「干し肉」を売り出し、知名度の向上を測ります。観光協会は「日本の牛肉文化の聖地 つやま」を国の統一ブランド「SAVOR(セイバー)(味わう・楽しむ)JAPAN」を使ってPRする他、ホームページや会員制交流サイト(SNS)で情報発信します。
生産部会の大﨏毅会長は「歴史と文化を感じながらおいしい牛肉を味わる店が増えれば、生産者を含め地域全体が潤う」と期待を寄せます。

 

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